開催阻止派とNGO

下澤です

今日の新聞は6日の開催阻止行動が一面を飾っている。麦畑を歩くグループたちの写真はどこか聖者の行進を感じさせ印象的だ。





紙面を飾る開催阻止派の写真

昨夜のCNNテレビを友人と見ていた。このデモはロストック近郊の空港に到着する首脳陣を、ロストックの会議場に入れないように開催阻止派グループが路上に座り込んだり、ダイ・インのパフォーマンスをするものだ。テレビでは警察に路上から無理やり引き剥がされまいと抵抗する若者の必死な様子が伝えられていた。破壊行為をむしろよしとするブラック・ブロックとは違う、開催阻止派である。一緒に見ていた友人は「投石や破壊活動はいかんが、この程度のことならあってもいいのかもしれない。日本のG8NGOフォーラムもこれらをどう考えるか、デリケートなテーマだ」と語っていた。私も難しい議論になるな、とロストックにきてからずっと考え続けているテーマでもある。

G8サミットになんらかの関与をしようとするNGOの動きにはいろいろな表情がある。今回統一的なNGOの行動やキャッチコピーができなかったのも、そうした多様なNGO行動原理があり、それらを認知し、最低の調整作業に徹したのもその理由からだ。NGOを大きく分ければ、「提言派」「開催阻止派」になるのかもしれない。開催阻止派はさらに「穏健行動派」「破壊武装派」に分かれるのかもしれない。昨日の路上座り込み行動は、穏健行動派と考えていいだろう。

提言派と開催阻止派は決して一枚岩ではないが、「G8サミットは先進国側の一方的で不当な会議である」という点においては共通点を持っている。それを内側にもぐりこんで利用するか、開催そのものを否定する行動をとるかの判断の違いだ。この点がこの二つのグループが互いを認める唯一の価値観であり、それ以外はまったく異なるといっていいだろう。2002年のジョノバ・サミットでは、開催阻止行動が圧倒的だった。2005年のグレンイーグルズ・サミットでは提言派が圧倒的な力を持っていた。しかしハイリゲンダム・サミットでのNGOの活動は、二つの価値観がふわふわとふたつの風船のように共存しているようだ。しかし、マスコミの目は片方の開催阻止行動という映像的にわかりやすい方に流れていく。

しかし、ここ数日しみじみ感じているのは、両方とも成果を本当にあげているのだろうかということである。小さな破壊行動、首脳の車を数分遅らせることで本当に何かが変わったのだろうか。圧倒的な警察の力を乗り越える戦略を持っていたのだろうか。また提言派は、今回の提言内容の動向を見るかぎり、本当に首脳陣に強い影響を与えたのだろうか。それぞれのNGOの役割とデモンストレーションはやった、「とにかく俺たちは言いたいこと、やりたいことをやった」というNGOの戦略の弱さを感じてしまう。皮肉っぽく「成果」と言えば、連日破壊武装派がデカデカと新聞やテレビに自分たちの存在をアピールできたことだろうか。

日本のG8ではハイリゲンダムと同じことが発生するとは考えにくいが、提言派と開催阻止派との間の対話は続けていく必要があるということだけは確かだ。 

今日7日は、開催阻止派の活動はピークを迎える。「Marches to the Red Zone」というハイリゲンダム会場に入り込もうとする行動が予定されている。このレポートは林さんからされると思う

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